電磁加速システムの洋上射撃試験
Summary
本資料は、防衛装備庁陸上装備研究所が実施した電磁加速システム(レールガン)の洋上射撃試験に関する報告資料である。試験艦「あすか」にレールガンを搭載し、標的船への射撃実証による被弾状況の確認、ならびに射角0度および45度での過渡・砲外弾道特性データの取得結果をまとめている。
表紙 (Page 1)
電磁加速システムの洋上射撃試験 防衛装備庁 陸上装備研究所 弾道技術研究部 火力・防護力評価研究室
本日の説明内容 (Page 2)
本日の説明内容 1 レールガンの概要 2 電磁加速システムの洋上射撃試験及び結果
1 レールガンの概要 (Page 3)
1 レールガンの概要
レールガン(Railgun)とは (Page 4)
レールガン(Railgun)とは ■ レールガン(Railgun) ✓ 電気エネルギーを利用して弾丸を発射する将来砲 ✓ 火薬を用いた従来砲に比し、原理的に弾丸初速の大幅な増大が可能
【レールガン模式図】 ・砲身レール ・電機子 ・弾心 ・磁界 ・電流 ・発射方向(ローレンツ力)
陸上装備研究所にて試作された電磁加速装置(以降、「レールガン」と呼称)
レールガンのロードマップ (Page 5)
レールガンのロードマップ
・単射
- 電磁加速システムの研究
- 砲内弾道:弾丸初速2,300m/s以上、砲身命数200発以上
・実証試験
- 電磁加速システムの洋上射撃試験(今回の発表)
・現在
- 砲内/砲外/終末弾道:連射機能、砲外の安定飛しょう、射撃管制
・連射
・プラットフォームに合わせた装備品の研究開発
- オンボード射撃
・電源関連
- 電源部の小型化
- 民生技術の橋渡し研究等
2 電磁加速システムの洋上射撃試験及び結果 (Page 6)
2 電磁加速システムの洋上射撃試験及び結果
洋上射撃試験 (Page 7)
洋上射撃試験 ■「電磁加速システムの洋上射撃試験」 令和7年度6~7月
【目的】 ➢ 早期装備化に向けた取組みとして洋上での射撃試験を実施し、現段階で標的船への射撃実証をすることで、船舶への被弾状況を確認 ➢ レールガン用弾丸の過渡・砲外弾道特性を把握
【電磁加速システムの研究】(平成28年度~令和4年度実施) ・口径40mmのレールガンにおいて弾丸の高初速化及びレール耐久性の向上を目指す ・諸元:口径 40mm、全長 約6m、質量 約8t、充電エネルギー 5MJ(20ftコンテナ 4台) ・初速2,300m/s以上、レール耐久性200発以上を達成
【電磁加速システムの洋上射撃試験】(令和5年度※~令和7年度実施 ※準備期間含む) ・洋上試験用に改修後、試験艦「あすか」に搭載 ・後部飛行甲板へレールガンを搭載 ・コンデンサバンク:船の動揺に抗たんするための補強、海水の飛沫対策等 ・レールガン:海水の飛沫から砲身を守るためのシェル、ガンカメラ・砲身の俯仰機能の追加 ・洋上におけるデータを先行的に取得し、今後のレールガン研究に活かす
レールガン用弾丸について (Page 8)
レールガン用弾丸について ① 弾丸をレールガンに装填する時の形状 ② 砲口離脱後、装弾筒が分離した様子を模型で再現したもの ◆ 砲口離脱後、装弾筒が分離する様子(電機子、装弾筒、弾心)
洋上射撃試験 実施体制 (Page 9)
洋上射撃試験 実施体制
【海幕/海上自衛隊】 ・開発隊群 技術評価開発隊(試験遂行・協力全般・統制) ・試験艦「あすか」 ・海上幕僚監部 ・自衛艦隊 ・横須賀地方隊(試験協力全般)
【防衛装備庁】 ・陸上装備研究所 ・陸上装備研究所 試験隊 ・長官官房 装備開発官(海) ・プロジェクト管理部(海) ・技術戦略部
海幕/海上自衛隊と防衛装備庁の間で協力支援および連携/協力体制を構築。
洋上射撃試験(①標的船射撃) (Page 10)
洋上射撃試験(①標的船射撃) 試験艦「あすか」に搭載したレールガンのガンカメラにより目視にて照準し、適切なタイミングにて標的船に対し射撃
・射撃試験配置:試験艦「あすか」及び曳航船は一定の距離を保ちながら併走。空撮ドローンによる撮影。 ・ガンカメラにて照準し、射撃係がタイミングをみて発射(ねらい点:十字、3か所) ・実施海面:野島埼南方
洋上射撃試験(①標的船射撃)試験状況(1/2) (Page 11)
洋上射撃試験(①標的船射撃)試験状況(1/2) ・ガンカメラ:レールガン下部に装着し、射線と同軸に合わせて目標の標的船を視野に収めた ・ガンカメラ映像
洋上射撃試験(①標的船射撃)試験状況(2/2) (Page 12)
洋上射撃試験(①標的船射撃)試験状況(2/2) 標的船に複数発命中、標的船内に設置したカメラ映像及び評価板により被弾状況を確認、弾痕から徹甲弾の飛しょう姿勢を把握
・標的船被弾状況写真(船外) ・弾心断面投影図 ・標的船被弾状況写真(船内) ・船内に設置した評価板(射撃前→射撃後)
洋上射撃試験(②弾道特性) (Page 13)
洋上射撃試験(②弾道特性) 試験艦「あすか」に搭載したレールガンから、洋上に向けて2条件の射角で射撃を実施し、弾丸の過渡※ ・砲外弾道特性を把握するためのデータを取得 ※過渡弾道:弾丸が砲口を離れる直前から大気中を定常飛しょうするようになるまでの弾道
・定針定速(安定)状態で射撃 ・射撃条件:射角0°、射角45° ・実施海面:八丈島南東方
洋上射撃試験(②弾道特性) (Page 14)
洋上射撃試験(②弾道特性) ハイスピードカメラ及び弾道レーダーにより、過渡弾道特性~砲外弾道特性の解析に資するデータを取得
・ハイスピードカメラ ・弾道レーダ ・射撃直後のレールガンと徹甲弾 ・射撃状況(射角45°)
洋上射撃試験(②弾道特性)試験状況(1/2) (Page 15)
洋上射撃試験(②弾道特性)試験状況(1/2) ■ 射撃状況(射角45°)
洋上射撃試験(②弾道特性)試験状況(2/2) (Page 16)
洋上射撃試験(②弾道特性)試験状況(2/2) ■ 射撃状況(射角0°、後方側より)
まとめ (Page 17)
まとめ ● 標的船への射撃実証により、被弾状況を確認。 ● 被弾状況、ハイスピードカメラ映像及び弾道レーダデータにより、レールガン用弾丸の飛しょう姿勢を確認し、過渡弾道特性を把握するとともに、砲外弾道データを取得。
今回の射撃試験で洋上における実データを取得したことにより、今後のレールガン研究に資する知見が得られたものと思料。
終了 (Page 18)
ご清聴ありがとうございました。