電磁加速システムの洋上射撃試験
Summary
防衛装備庁が実施した電磁加速システム(レールガン)の洋上射撃試験に関する報告資料です。試験艦「あすか」に口径40mmレールガンを搭載し、標的船に対する実射撃や弾道特性データの取得、レール耐久性や弾丸初速の検証結果、今後の連射機能や小型化に向けた開発ロードマップがまとめられています。
1/6 レールガンとは / 従来火砲とレールガン
電磁加速システムの洋上射撃試験 (1/6) 防衛装備庁 陸上装備研究所 弾道技術研究部 火力・防護力評価研究室
■ レールガンとは 電気エネルギーを利用して弾丸を発射する将来砲
- 極超音速で弾丸を発射 → 従来火砲に比べて威力・射程が増大
- 電気エネルギーで加速 → 威力可変・発射薬を使わず安全
- 小型弾丸かつ極超音速 → 探知・迎撃されにくい
【動作原理図説明】 ・砲身レール、弾丸、電機子、磁界、電流、電源部、ローレンツ力
■ 従来火砲とレールガン 【従来火砲】 ・火薬の持つ化学エネルギーで弾丸を加速(火薬の化学エネルギー → 変換 → 弾丸の運動エネルギー) ・しかし、元の火薬の持つエネルギーを超えるような弾丸の速度は得られない。 ・弾丸の速度をさらに上げるには・・・火薬増量 → システム規模拡大(火薬増量)→ 増やした火薬の燃焼に耐えるために砲が分厚くなる → 弾丸速度UP
【レールガン】 ・電源の電気エネルギー → 変換 → 弾丸の運動エネルギー ・電流UP → 弾丸速度UP ・構成:電源、砲、装弾筒、弾丸、電機子(電機子とレールに大電流が流れることでローレンツ力を生み出し、弾丸が加速される。重要な構成品。)、砲身レール、弾心、磁界、電流、発射方向(ローレンツ力)
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2/6 洋上射撃試験の概要・実施体制
電磁加速システムの洋上射撃試験 (2/6) 防衛装備庁 陸上装備研究所 弾道技術研究部 火力・防護力評価研究室
■ 洋上射撃試験 > 試験目的 ・早期装備化に向けた取組みとして洋上での射撃試験を実施し、現段階で標的船への射撃実証をすることで、船舶への被弾状況を確認 ・レールガン用弾丸の過渡・砲外弾道特性を把握
【電磁加速システムの研究(平成28年度~令和4年度実施)】 口径40mmのレールガンにおいて弾丸の高初速化及びレール耐久性の向上を目指す ・レールガン諸元:口径 40mm、全長 約6m、質量 約8t ・コンデンサバンク:充電エネルギー 5MJ、20ftコンテナ 4台 ・成果:初速2,300m/s以上、レール耐久性200発以上を達成
【電磁加速システムの洋上射撃試験(令和5年度※~令和7年度実施 ※準備期間含む)】 洋上試験用に改修後、試験艦「あすか」に搭載 ・レールガン:海水の飛沫から砲身を守るためのシェル、ガンカメラ、砲身の俯仰機能の追加 ・コンデンサバンク:船の動揺に抗たんするための補強、海水の飛沫対策等 ・試験艦「あすか」:後部飛行甲板へレールガンを搭載 ・弾丸:徹甲弾(装弾筒付、弾心、装弾筒、電機子)
> 実施体制 【海幕/海上自衛隊】 ・海上幕僚監部、自衛艦隊、横須賀地方隊:試験協力全般 ・開発隊群 技術評価開発隊、試験艦「あすか」:試験遂行、協力全般・統制 【防衛装備庁】 ・プロジェクト管理部(海)、長官官房装備開発官(海)、技術戦略部 ・陸上装備研究所、陸上装備研究所 試験隊:連携/協力、協力支援
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3/6 洋上射撃試験(標的船射撃)
電磁加速システムの洋上射撃試験 (3/6) 防衛装備庁 陸上装備研究所 弾道技術研究部 火力・防護力評価研究室
■ 洋上射撃試験(標的船射撃) > 試験概要 ・試験艦「あすか」に搭載したレールガンのガンカメラにより目視にて照準し、適切なタイミングにて標的船に対し射撃 ・試験艦「あすか」及び曳航船は一定の距離を保ちながら並走 ・実施海面:野島崎南方 ・射撃試験配置図:試験艦「あすか」、曳航船、標的船、空撮ドローン、ねらい点(十字、3か所)
> 結果概要 ・標的船に複数発命中、標的船内に設置したカメラ映像及び評価板により被弾状況を確認、弾痕から徹甲弾の飛しょう姿勢を把握 ・ガンカメラ映像(標的船) ・標的船被弾状況(船外)及び弾心断面投影図 ・船内に設置した評価板(射撃前→射撃後)
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4/6 洋上射撃試験(弾道特性)
電磁加速システムの洋上射撃試験 (4/6) 防衛装備庁 陸上装備研究所 弾道技術研究部 火力・防護力評価研究室
■ 洋上射撃試験(弾道特性) > 試験概要 ・試験艦「あすか」に搭載したレールガンから、洋上に向けて2条件の射角で射撃を実施し、弾丸の過渡※・砲外弾道特性を把握するためのデータを取得 ※過渡弾道:弾丸が砲口を離れる直前から大気中を定常飛しょうするようになるまでの弾道 ・定針定速(安定)状態で射撃(射角0°、射角45°) ・実施海面:八丈島南東方
> 結果概要 ・ハイスピードカメラ及び弾道レーダーにより、過渡弾道特性~砲外弾道特性の解析に資するデータを取得 ・ハイスピードカメラ映像(徹甲弾の飛しょう) ・弾道レーダデータ
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5/6 洋上射撃試験のまとめとロードマップ
電磁加速システムの洋上射撃試験 (5/6) 防衛装備庁 陸上装備研究所 弾道技術研究部 火力・防護力評価研究室
■ 洋上射撃試験 > 結果とまとめ ・標的船への射撃実証により、被弾状況を確認 ・被弾状況、ハイスピードカメラ映像及び弾道レーダデータにより、レールガン用弾丸の飛しょう姿勢を確認し、過渡弾道特性を把握するとともに、砲外弾道データを取得。 ・洋上における実データを取得したことにより、今後のレールガン研究に資する知見が得られたものと思料。
■ レールガンのロードマップ 【砲内弾道】(電磁加速システムの研究 - 単射) ・弾丸初速 2,300m/s以上 ・砲身命数 200発以上
【電磁加速システムの洋上射撃試験】(現在・実証試験)
【砲内・砲外・終末弾道】(連射) ・連射機能 ・砲外の安定飛しょう ・射撃管制
【電源関連】 ・電源部の小型化(民生技術の橋渡し研究等)
【プラットフォーム毎に合わせた装備品の研究開発】 ・オンボード射撃
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6/6 写真資料
電磁加速システムの洋上射撃試験 (6/6) 防衛装備庁 陸上装備研究所 弾道技術研究部 火力・防護力評価研究室
【写真内容】 ・試験艦「あすか」甲板上部・俯瞰写真(レールガン搭載状態) ・洋上航行中の試験艦「あすか」からの水平線・夕景 ・レールガン砲塔(マウント・俯仰機構・外装シェル)と周辺計測機器の近接写真 ・洋上試験時の艦橋および試験艦「あすか」航行写真
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